サプライヤーリスク
中国での品質低下:3回目の注文に初回より欠点が多い理由
新しいサプライヤーへの最初の注文は、たいてい素晴らしい出来です。2回目も問題ありません。3回目か4回目あたりで、小さなことが変わり始めます。金属が少し薄くなり、塗装が少し薄くなり、カートンが少し弱くなります。どれも知らされません。このパターンはよく「クオリティフェード(品質の漸減)」と呼ばれます。詐欺であることはまれです。一つひとつは小さすぎて問題にならないと考えながら、工場が少しずつコストを下げているのです。このガイドでは、それがどう起きるか、バイヤーがどう止められるかを説明します。
- 品質低下が起きる理由
- サプライヤーがまず削るところ
- 基準サンプルと書面の仕様で品質を固定する方法
- 繰り返しの検品がずれを止める理由
なぜ起きるのか
工場は、取引を得るために最初の注文の価格を決めます。その後、原材料が値上がりし、賃金が上がり、為替が動くなど、コストが変わります。バイヤーと合意した価格は変わりません。工場は節約できるところを探し、最も簡単なのはバイヤーが確認しそうにないところです。一つひとつの変更は小さく見えますが、積み重なると別の製品になります。
バイヤーが知らずにそれを後押ししていることもよくあります。良い注文が2回続くと信頼が増し、確認が省かれます。仕様が詳しく書面化されていなかったなら、工場は今も仕様を守っていると自分に言い聞かせることができます。「クオリティフェード」という言葉は、中国の製造業に関する著書でポール・ミドラー氏が広めたもので、多くの業界のバイヤーにとって見覚えのあるパターンでしょう。
サプライヤーがまず削るところ
- 材料。薄い板材や肉厚、低い鋼種、バージン樹脂への再生材の混入、安い生地。鋼種置き換えの事例で実例を紹介しています。
- 見えない工程。短い熱処理、2回塗りを1回に、薄いめっき、省かれた研磨工程。
- 部品。見た目は同じでも承認部品ではない、別のモーター、スイッチ、ベアリング、コンデンサー。
- 包装。両面段ボールから片面段ボールへの変更、薄い内装材、少ない仕切り。
- 社内の品質管理。以前なら手直しや廃棄になっていたユニットが、良品と一緒に梱包される。

基準を固定する
品質低下は、基準があいまいなときに起きます。対策は基準を正確にすることから始まります。
- 基準サンプルを封印する。承認サンプルを自社で保管し、署名と日付を入れた同じ封印サンプルを検査員か工場に預けます。工場にだけ置いたサンプルは、劣化したり、なくなったり、すり替えられたりすることがあります。サンプル承認については検品チェックリストとサンプル承認のガイドで詳しく説明しています。
- 測れるものを書面にする。材料のグレードと規格、厚さ、重量、塗膜の厚さ、部品のメーカーと型番、カートンのグレード。これらの多くは目に見えないため、「サンプルと同じ」だけでは足りません。
- 変更には承認を必須にする。材料、部品、工程、下請け先の変更には、事前にバイヤーの書面承認が必要だと発注書に明記します。
確認を続け、記録を残す
最も効果的な抑止力は、どの注文も同じ基準で確認されるとサプライヤーが知っていることです。初回だけでなく毎回の出荷前検品で、重量、厚さ、塗膜の測定値、部品の確認、カートンのグレードといった測定を続けてください。そして注文ごとの数値を比べます。平均重量が注文のたびに少しずつ下がるような緩やかな傾向は、顧客が気づく前にデータに表れた品質低下です。
新しいサプライヤーの場合や価格交渉の後は、初期生産検査で生産開始時に材料と部品を確認します。この時点なら変更を元に戻すのは安く済みます。注文ごとに同じ測定箇所を記録するよう検査員に依頼すれば、傾向がレポートに表れます。検品サービスをご覧ください。